つる〜ん

師走の忙しさにいつも買ってる模型雑誌を手にするのが遅れてしまってイマサラな話ですが、新製品コーナーでマスターグレード(以下MG)・ジムVer.2.0の写真を見て、そのあまりにシンプルな形状に思わずあっけに取られてしまいましたよ・・・(笑)
通常、架空のロボットや宇宙船のデザインと言うものは見た目のインパクトを維持する為にドンドン細かな装飾を増やし密度を上げていく方向へと一方通行の変化を続けていくものだったりします。その傾向は古いアイテムのリメイクの際にも見受けられ、「新解釈」と称して色々装飾が追加されてしまい、同じ物とは思えないくらい印象が変わっていったものでした。(例:初代ガンダムのMG版プラモデル各種)

しかし今年7月にリリースされたMGガンダムVer.2.0はその流れに逆行するかの様な、非常に装飾の少ない仕様となっていて、個人的に驚きを禁じえませんでした。実際にこれを扱った模型雑誌においても戸惑いを隠せないような書き振りでしたし・・・。
そして、そのガンダムより更に装飾の少ない、脇役ロボの典型であるジムがMG Ver.2.0フォーマットで再登場と言う訳ですから只でさえシンプルさの際立ってる前者に更に輪をかけたシンプルさに。背面なんかあまりの線の少なさにある種の野暮ったさまで醸されてる始末。先代MGジムと比較すると腰が抜けそうになります(苦笑)

しかし、これこそが初代ガンダムにおけるデザインの真髄ではないかと私は思うのです。初代ガンダム登場のモビルスーツ群を目にした時の印象が「無茶苦茶なくらいシンプル、イマドキこれで商売する気なのか?」でした。<やなガキですね(w
時代が進むに連れて感覚の鈍磨する消費者に合わせて変化していくエンタメ作品のロボットデザイン。その複雑化にもいずれ限界が来る以上は、積み上げてきた複雑性をどこかで一旦を脱ぎ捨てて方向性の変化へと乗り出す必要に迫られるのでしょう。(それが無ければ商売としては先細りが避けられないですし)思えばあの時、その大変革の瞬間を目撃していた事になるんですね・・・。今回のMGジムVer.2.0のリリースは、そんな時代の思い出を束の間、蘇らせてくれた様な気がします。

次の大変革の時に、今度はどんな方向性が打ち出されるのでしょうか?非常に興味の尽きない反面、自分の生きてるうちにそれが拝めるのか?と言う疑問も浮かんだりします。さてさて。