付ける薬の無い人

 田母神(たもがみ)俊雄・元航空幕僚長は24日、堺市衆院選大阪17区に立候補している改革クラブ前職の応援演説に立ち、今月6日の広島原爆の日広島市で開かれた平和記念式について、「被爆者はほとんどいない」「並んでいるのは左翼」と述べた。被爆者団体は反発している。

 田母神氏は演説で、6日に講演で広島市に行ったことに触れ、平和記念式について「並んでいる人は広島市民も広島県民もほとんどいない」「被爆者も、被爆者の家族もほとんどいない」と発言。「左翼の大会なんです、あれは」とし、麻生首相が式であいさつしたことを「マンガです、ほとんど」と評した。

asahi.com 8/24記事 広島平和記念式「被爆者ほとんどいない」田母神氏が演説 より引用

また無茶な事を言ってくれたものです。「一頃に比べれば減った」と言うならまだ分かりますが、左翼しか並んで無いと言うのはどういう事でしょうか?広島市当局が主催した式典なのにそういう偏りがどうやれば出るって言うんでしょうか?今も大勢暮らしている被爆者やその家族は一体どこに行ったって言うんですか?そりゃ、タモさんの講演会には来ないでしょうけどね:-P
実際あれだけの惨禍に見舞われた人々ですから、こういう式典に集まるって言うのはとても支えになる筈です。自分一人、或いは家族の中だけで耐えていくには重過ぎます。人によって程度は様々でしょうが、それでもあの時代あの場所で同じ様な目に会った人達が他にも大勢いると実感できるというのは物凄く意味のある事だと思うんですよね。そういう共通体験を軸にした集まりと言えば、体験の中身は違いますが戦友会みたいなのもありますし、もっと一般的なものでは同窓会ってのもそうですよね。共に苦労した人間と会うと言うのは、人にとって特別な意味を持つものです。
それが戦争の様に過酷なものであれば尚更、原爆による大規模な戦災ともなれば筆舌に尽くしがたいものが有ると思います。彼ら被爆者の子や孫の立場であっても、間接的であれ原爆の影響からは免れられないんですからやはり何らかのつらさを含む共通前提を持っている訳です。そういった方々が被爆地の当局が主催する式典に出ないと言うのは余程の理由が無ければあり得ない話です。なのにタモさんときたら肝心な部分は「人から聞いた」と曖昧にしちゃってるんですよね・・・そんないい加減な理屈でこんな重大な事を言えるなんて無責任にも程があるってもんです。漫画なのは一体ドッチだって言いたいですね。

追記
頭にキて一気に書いたら大事な事が抜けてしまいました。タモさん、6日に広島で開いた講演会では日本も核武装しろと言ってるんですよね。普段仰ってるような攻撃的な言説に従ってその上更に核武装するなら世界中の軍事的緊張度を意味も無く上げちゃうだけな気がするんですけど、そういうのは頓着してないっポイのが凄く嫌です。折角みんなが苦労して冷戦を終わらせたというのに、これじゃ元の木阿弥・・・